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女性を中心に据えて:緊急外来における家族計画への患者エンゲージメント



(世界経済フォーラム)保健プログラムや製品に、女性や少女の視点が取り込まれていないことが、問題視されています。一般的な医療現場において、誤診、不適切な治療、合併症のリスクは女性の方が高いにもかかわらず、女性たちの声が聞き入れられていないことが多いのです。実際、臨床ガイドラインでは、単に「女性の声に耳を傾ける」ことが推奨されているほどです。

この課題は、家族計画において特に大きな懸念となります。世界保健機関(WHO)の調査によると、性と生殖に関する保健サービスを提供する際のケアの質の客観的な評価は、必ずしもクライアントの視点による評価と一致していません。
さらに、ランド研究所の調査によると、家族計画プログラムでは、クライアントのニーズとケアの質への配慮が欠けており、女性のリプロダクティブ・ヘルスケアの他の側面に目を向けられていない傾向があることが分かりました。女性の意見や経験が反映されていないために、これらのプログラムや製品は、避妊に関する包括的な情報へのアクセス、多様なニーズに合わせた避妊の選択肢、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関する意思決定への支援といった重要な課題に対処できていないことが多々あります。
こうした状況を踏まえ、多くの保健システムでは、プログラムの設計段階において女性の意義あるエンゲージメントを重視する、家族計画サービスの新たな提供方法が検討されています。家族計画へのアクセスを増やすための新しい戦略を模索している例のひとつに、病院の救急外来(ED)があります。
「救急外来は、女性のリプロダクティブ・ヘルスケアへのアクセスに関する物語を変えるべく、ユニークなプラットフォームを提供しています。女性の生活にとって最大のリスクは、予期せぬ妊娠です。こうしたケースは、特に一つひとつ対話が重要になります」と、ジェファーソン・ヘルス救急診療部の臨床業務ディレクターであるジェニファー・L・ホワイト医学博士は述べています。

十分に活用されていないED

保健医療アクセスが整っていない多くの地域では、定期的に女性が婦人科の診察を受ける機会が限られているため、アクセスのしやすさ、ケアの緊急性、教育の機会、リプロダクティブ・ヘルスに関する懸念のスクリーニングを提供できるEDが、重要なライフプランニングの決定の場となっています。
WHOによると、発展途上国では、約2億1,400万人の女性が現代的な避妊方法を利用できていないとされ、毎年2,500万件の安全でない人工妊娠中絶と、810件の予防可能な妊産婦死亡が起きています。米国だけでも、約6,000のEDが存在し、出産適齢期の女性の約2,000万人が毎年EDで治療を受けています。
しかし、ほとんどのEDは、望まない妊娠に関連して繰り返し起こる医学的課題に対し適切に対処していません。インフルエンザの予防接種、オピオイドのスクリーニング、ED受診後に患者が持ち帰るためのアルブテロール吸入器の提供など、EDでの介入は、過去の健康上の緊急事態に対処する上でより良い戦略であることは証明されています。
世界中の女性に家族計画に関する情報とサービスを提供することができる救急外来は、意図しない妊娠を減らし、最終的には世界規模でリプロダクティブ・ヘルスとセクシュアル・ヘルスのアウトカムを改善することができます。しかし、EDで家族計画を推進するための取り組みを設計する際には、女性や少女たちの要望とニーズを優先させる必要があり、それは、彼女たちの声に耳を傾けることから始まります。

女性の声を家族計画の取り組みの中心に

患者エンゲージメントとは、潜在的な患者層の一部である女性の声に積極的に耳を傾け、家族計画プログラムの開発において女性の視点を最大限に考慮することを意味します。このアプローチでは、単に女性を観察するのではなく、プログラムに関する女性の要望やニーズ、懸念を直接女性に尋ねます。これは、プログラム開発における従来のトップダウンアプローチからの脱却を意味し、ボトムアップで協力的な方法を具体化したものです。
女性や少女たちと協力することで、潜在的な患者層の地理的、文化的、社会経済的な要因に合った介入ができるようになります。これにより、家族計画プログラムの構築において女性との有意義なパートナーシップが生まれ、彼女たちの全てのニーズと要望に応えることが可能になります。しかし、多くの保健システムは、家族計画の取り組みに女性を効果的に巻き込むことができずにいます。ジェンダーバイアスやアクセスの制限など、異なるニーズや障壁があるため、革新的で、個々に合ったアプローチが必要です。
「文化的・社会経済的ニーズに合わせて、家族計画プログラムを調整することは不可欠であり、コミュニティのダイナミクスを深く理解する必要があります」と、アブダビのバージル・メディカル・シティで母体・胎児医療コンサルタントを務めるマンディープ・シン医師は述べています。
ホワイトリボン・アライアンスは、このアプローチに関心のある保健システム向けに、EDにおける家族計画への取り組みに役立つ、有意義な患者エンゲージメントのためのファシリテーターガイドを作成しました。このガイドは、女性や少女たちと生産的なフォーカスグループ・ディスカッションを行い、彼女たちの声やニーズが計画プロセスにおいて確実に聞き入れられ、考慮されるようにするためのものです。効果的なファシリテーションのための実用的なヒントと構造化されたフレームワークを提供しています。
このガイドは、EDの医師、病院管理者、保健研究者、女性の健康に関するリーダーなど、EDでの家族計画の検討や導入に関心のあるすべての人が利用できるように作られています。保健システムのソリューションを開発・拡大する前に、EDで家族計画に関する情報やサービスを受ける可能性があるということに女性がどのように感じるかを理解することが不可欠です。EDがケアを提供する女性や少女たちの意向と保健システムが合っていない可能性を認識し、オープンマインドでこのイニシアチブに取り組む必要があります。適切なソリューションを見つけるためには、特定の状況を注意深く考慮し、個々のケースに応じて設計を調整することも重要です。
同ガイドは、明確な目的、参加者の選択基準、効率的な募集戦略を提供しているほか、避妊についてためらいなく話し合い、EDでの経験や家族計画サービスに対する要望を探るための構造化されたディスカッションガイドも提供しています。そして、熟練したファシリテーターとアシスタントは、インクルーシブな環境を作り出す上で重要な役割を果たします。
米国のチャイルドバース・コネクション(現在は、ナショナル・パートナーシップ・フォー・ウーマン・アンド・ファミリーの一部)が実施している「Listening to Mothers」プログラムでは、出産経験や要望について母親に調査をしており、こうした取り組みの良い例です。収集されたデータは、マタニティケアの改善や、保健サービスを女性のニーズや要望により合致するものに進化させ、患者中心のケアを実現するのに役立てられています。このアプローチは、マタニティケアの実践を改善し、格差を縮小させ、政策変更にも影響を及ぼしました。また、患者の満足度が向上し、情報に基づいた意思決定が行われるようになり、患者中心のケアが迅速に提供されるようになっています。

女性の意見を取り入れることが鍵

EDにおける優れた家族計画プログラムの設計は、患者となる見込みのある人々を巻き込むことから始まりますが、医療従事者の教育と準備の優先順位付け、EDを超えた領域でのケアの継続性の確保、特に十分にサービスが行き届いていない地域でのアクセス強化のためのデジタルソリューションの活用など、その他にも考慮するべき重要な要素があります。
医療従事者を教育することは、包括的なサービスの提供を可能にするだけでなく、課題に対処し、地域の医療提供者との連携を確立して継続的なケアを保証するために必要なことです。テクノロジーを活用することで、アウトリーチが拡大し、重要なリプロダクティブ・ヘルスに関する情報やリソースが提供できるようになります。早期に女性を巻き込むことは、プログラム全般の設計に役立つ情報を提供し、ソリューションを取り巻くサポートシステムの適合性と実用性の確保につながります。
「医療、特に家族計画プログラムは、女性の声に耳を傾けることを標準の実践とすることで、より強力なものとなるでしょう」と、ホワイトリボン・アライアンスのアドボカシー・コミュニケーション・マネージャー、キンバリー・ウィプキー氏は話します。
すべての女性と少女の声が聞き入れられ、彼女たちが、大切にされていると感じられるような効果的な患者エンゲージメントは、医療提供者と患者間の信頼構築を助け、女性が利用しやすいプログラムやサービスの構築に役立ちます。このことは、地域社会における信頼性を向上させ、健康格差に対処し、女性をエンパワーし、思いやりのあるヘルスケア環境を育むことにつながるでしょう。

出典:世界経済フォーラムの記事 (CC BY NC-ND 4.0)
著者:
Amira Ghouaibi - Project Lead, Women’s Health Initiative, World Economic Forum
Amjed Ali -  Project Fellow, Women's Health Initiative, World Economic Forum, Manager Strategy and Investment, Burjeel Holdings
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